top of page
検索
  • 上兼栗 つむぎ

「生きる力」とは

 私が子育て真っ最中の頃は、「子どもに生きる力をつけさせよう」というようなことをよく耳にしました。

 「生きる力」の具体的内容はは時代の流れと共に変化してきましたが、要するに困難にあってもたくましく生き抜いて欲しいという親の願いを反映しているのだと思います。

 話は変わりますが私は生き物が好きで、小さいころは『ファーブル昆虫記』や『シートン動物記』などを読み、テレビ番組でもサバンナやアマゾンの野生生物の記録や海中の生き物の映像にナレーションを付けたものを好んで観ていました。

 そのせいか、「生きる力」に対して他をしのぎ子孫を反映する強さ、又は環境に適応し ぬかりなく生き抜く力、という解釈をしていました。

 33歳で大学の教育学部に学び始めた時、この考えが一つの進化論に基づいていることに気付きました。そして進化についてはいくつもの説があって未だ結論が出ていないことを知りました。

 正直に言ってしまうと、我が子が一番大事です。もし強いものだけが生き残り、要領よく立ち回るものが繁栄していくのならば、その術を教えないでいられましょうか。しかし進化の歴史がそうではないと語っていたら?

 大人になって読んだ科学読み物には単純な法則ではしばれない、多様な生物の営みが多数紹介してありました。生き残るか否かを決定づけるのは優劣ではない。そして「適応能力」というような能力は存在しない。と今は思っています。

 私がわが子に授けたい力は「関わりの力」です。対象は何でもいい、全身全霊で関わっていこうとする貪欲さがあって欲しい。それなのにこの所ゲームばかりの息子たちを見て溜息しか出ないのです。

閲覧数:50回0件のコメント

最新記事

すべて表示

「自分らしい子育て」の解釈について

「自分らしい子育てをしよう」、最近こんなメッセージを目にすることがあります。これはSNSなどのインターネット情報に翻弄されることなくやれるようにやっていこうという励ましの言葉だと理解しています。しかし時々この言葉の意味を取り違えている人がいるのではないかと心配になります。...

夫婦の絆

私の両親は大変若くして結婚し、おおむね仲の良い夫婦でした。ケンカもよくしていましたが、お互いの他に頼れる人もいなかったのです。ですから本気で別れようとしたことはなかったと思います。 母は京都市の真ん中で生まれ育った町の子です。明るい反面興奮しやすい性格、行動力はありますが思...

切っても切れないへその緒

色々な人にお話を伺うと、多くの方がご自分の親御さんに対して「ああして欲しかった」「こんな親であって欲しかった」という願望を一つや二つは持っていると気付きます。 かく言う私も同様に、老母が不治の病にかかっていてさえそう思うのです。最近母の体調が、「もはやこれまで」というほど悪...

Comments


bottom of page