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  • 上兼栗 つむぎ

「発達課題」とはなんぞや

小さい子どもさんが思い通りにいかないとかんしゃくを起こしたり、初めての経験に対して不安になったり、果ては頑固に拒否したりする場面はよく目にすると思います。「発達課題」なんて言葉も聞いたことがあるかもしれません。

 子育て支援に携わって何年にもなると親御さんも同じ道筋を辿っていることに気が付きます。子育ての毎日は思い通りにいかないことだらけ。初めての子育てならなおさら、見通しがつかないので不安が募ります。

 訳知り顔でかくいう私も、団体を育てるという新しい仕事に着手し、上記と同様の道程でイライラしたりクヨクヨしたりしています。

 こうして見ますと、「発達課題」とはなんぞや。人は歳を取っても小さい子どもと同じような悩みの中で生きています。ただ内容が代わっているだけ。

 発達に対して多くの人が上へ上へと階段を登るようなイメージを持っているようですが、本当はマンダラ図のようなものかもしれません。子どもさんの生の一瞬一瞬が完成形でありその一瞬の絵は年老いて死にゆく時に振り返る全人生の絵と等しいのだと想像します。

 話を現実に戻しますと、子どもさんに対して(大人同士であれ)、自分はすでに「課題」をクリアしたと驕っている何者かが評価を下し、その評価が人の心身を害するほどにパワーを持っている社会はそう長続きはしますまい。まるで空中楼閣です。

 自分の「課題」を認識したり、時には人から与えられることも悪くはありません。例えばボールつき遊びで、10回までつこうと決めてやると、ただついているより夢中になれておもしろいですよね。本当に大切なのは今が充実することです。「課題」はあくまでも充実した人生を送るためのツールなのだということを忘れないようにしたいと思います。

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