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上兼栗 つむぎ

イヤイヤ言う子

 子どもが何かに躊躇して泣いているとき、「嫌なんだね」とかいう言葉を掛けたことは誰にでもある経験ではないでしょうか。子どもの気持ちに寄り添った言葉かけで一見よさそうに思えます。

 昔保育の現場で先輩が若い先生にこのように諭しているのを聞いてなるほどと思いました。「泣いていることが嫌とは限りませんよ。嫌がっていると決めつけないで。」

 確かに、初めての事、慣れていない事をしようという時泣く子がいます。そんな時ちょっと背中を押す支援をしてあげるととやがてその活動を楽しむようになることがほとんどです。

 幼い子は(初めてする活動だから不安だな)というような気持ちも、言葉や表現力の未熟さ故「泣く」という行動で表わします。上記のような声掛けは様々な子どもの気持ちを「嫌」というカテゴリーでくくってしまう事にもつながると言うのです。

 何か子どもの気持ちに寄り添った言葉を掛けたいときはもう少し想像力を働かせて、「ちょっとびっくりしちゃったのかな」とか「やったことないから心配してるのかな」とか、多様な表現ができるようにしたいものです。

 また何でもすぐに「嫌、嫌」という時期や「怖い、怖い」を連発するお子さんもおられます。これらも同様、表現が乏しいので持ち合わせの言葉や行動パターンで複雑な心の中を伝えようとしている結果ですから、「言葉のままに受け取らなくてよい」と先輩はおっしゃいました。

 長い巣ごもり生活から少しずつ外の世界との関わりを再開する際、ナーバスになってぐずぐずいうお子さんがおられましたら声掛けの工夫をしてみてください。但し、子どもさんは急な変化には対応しにくいので何事も少しずつ、少しずつ元に戻していきましょう。

 


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