息子が生まれて数ヶ月が経った秋のある日。息子を連れて散歩していたら、抱っこしたまま寝たので、私も少し休憩しようと近くにあったベンチに腰掛けました。ぼーっと景色を眺めていると、「コツッ」と何かが落ちる音がして、ふと足元に目をやると、ドングリが。
見上げるとベンチの横に大きなドングリの木がありました。ドングリの木から実が落ちる。そんな何でもない風景をゆっくりと眺め、音を耳で聞き、季節を五感で感じたのはいつぶりだったか。子どもが生まれるまでは、仕事漬けの生活で、効率と成果を追い求めて生活していた私は、そんな自然の風景を愛でる心の余裕がなかったのだなとその時はっと気付かされました。
それから半年程が過ぎ、春がきて、歩けるようになった息子と川原を散歩をしていた時のこと。足元に黄色いタンポポが咲いていることに気が付けた自分に、なんだか嬉しくなりました。
子育ては立ち止まることがたくさんあります思うように進まないし、子どものペースだと効率なんて考えていられない。だけど、立ち止まることで見える風景の素晴らしさを教えてくれるのも子育てなのだなと知りました。
今日も息子はマイペースに、私もぼちぼち、子育て中の風景を楽しみたいと思います。
カオリ
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